オードリーが愛らしい「マイ・フェア・レディ」

ドラマ

どんなおはなし?

路上で花売り娘をしていたイライザの方言を軽い気持ちで諌めた言語学者のヒギンス教授。ひょんなことから、イライザの方言やマナーを正して、舞踏会に行けるまでに仕込めるかどうかの賭けをすることに。

ひどすぎるイライザの言葉遣いに、辟易するヒギンズ。

彼はもともと女などめんどくさいだけの生き物だと主張する独身主義者。

そんな彼ですが、段々とイライザの愛らしさに心を開き、いつしかお互いに惹かれ合うように。

果たしてイライザはレディに変身し、幸せを掴むことができるのでしょうか。

ただただオードリーが美しい

最初に花売り娘として登場するオードリーは、薄汚れて汚い言葉遣いのがさつな少女で、これがあの気品あるオードリーかと目を疑います。

しかし、ヒギンズ教授に正しいギリス英語を習っていたある日、美しい発音で話せるようになってからのオードリーの美しさ!

競馬場での圧倒的なドレスとオーラ。

このシーンは女性は全てモノクロの豪華な衣装に身を包み、男性はグレーのスーツで統一され、美しいシーンとなりました。

また、舞踏会での真っ白な清純な出立ちにため息が出ます。

ドレスはおなじみ、ジバンシイのものとのことで、この衣装を着て撮影現場に現れたオードリーを見て、ほかの出演者やスタッフが、その美しさに息を呑んだとか。

普段に来ていたドレスも全て可愛くて、美しいオードリーを存分に堪能できる映画でした。

曰くありの映画

もともとミュージカル作品だった「マイ・フェア・レディ」は当初別の女優が演じる予定でした。それがオードリーとなり、批判もあったようです。

またオードリーの歌部分の多くは吹き替えとなっていて、オードリーはこのことについて「吹き替えと知っていたらこの仕事を受けなかった」と悔しがっていたようです。

しかし、出来上がった作品は素晴らしい出来となり、アカデミー賞を8部門も独占する映画となったのでした。

それぞれの価値観

この映画では、それぞれの登場人物の価値観の違いが交錯します。

磨き上げられたイライザですが、いざこれからどうするかとなった時、結婚を勧められます。「昔は花を売っていたけど、今は自分しか売るものがない」という、容姿で判断する世の中の皮肉のようにも聞こえます。

また、ヒギンスは女性に対して「なぜ女は男のようにサッパリと振る舞えないのか」といつも女性を卑下する姿勢を見せます。

イライザの父親は娘に酒代をねだる最低の親ですが、ヒギンズがイライザを預かる代わりに父親に10ポンド払おうとすると「いや、5ポンドでいい。多くてもいけない。これくらいがちょうどいい。」となんとも言えない行動をとり、私の注目をかっさらいました!

その、「加減」が自分が自由でラクでいられると全てわかっているこの父親!

ラストには驚きました。

類似映画「舞妓はレディ」

タイトルや設定からして、完全なるオマージュ映画ですが、こちらもとても楽しい作品です。周防正行監督作品で、舞妓になるために田舎から京都へ出てきた少女の方言を、言語学者が正しい京都弁を話せるように指導するお話で、主役の上白石萌音ちゃんが素晴らしいです。

こちらも併せておすすめです。

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