レナードの朝「60~70年代のお洋服も必見の、デニーロ感動作」

レナードの朝 実話

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これが実話って驚きです!
原因不明の「眠り病」を子どもの頃に発病し、30年間廃人のようになっていたレナード(ロバート・デニーロ)に、新任のセイヤー医師(ロビン・ウィリアムス)が新薬を投与。するとレナードは奇跡的に生気を取り戻すのですが・・・。
「アルジャーノンに花束を」を彷彿とさせるお話でした・・・。
悲しいけど、でも素晴らしい映画です。
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さて、時代は60〜70年代。
レナードが恋する女性のファッションがとってもかわいいのです。
特に、ダンスをするシーンの黒いトップスに赤いタータンチェックのスカート。「ある愛の詩」を思い出すファッションです。
脳は眠っている状態で、患者たちは何にも感じていないし考えてもいないと思われていたけれど、セイヤー医師は「絶対にわかっているはずだ。ただ伝えられないだけだ。」と、コミュニケーションを試みて、そこへレナードが、「リルケの豹」だと意思を示したとき、とにかく感動しました。
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豹 / リルケ
通り過ぎる格子のために、疲れた豹の眼には もう何も見えない
彼には無数の格子があるようでその背後に世界はないかと思われる
このうえなく小さい輪をえがいてまわる豹のしなやかな
剛(かた)い足なみの 忍びゆく歩みはそこに痺れて大きな意志が立っている一つの中心を取り巻く力の舞踏のようだ
ただ 時おり瞳の帳が音もなくあがると――そのとき影像は入って四肢のはりつめた静けさを通り心の中で消えてゆく
『新潮世界文学32 リルケ』(新潮社、1971年)
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頭で考えていることを、体で伝えられないなんて、なんて苦しいんでしょうか。
本が大好きなレナードは、本も読めなくなってしまうなんて。
そばでずっと話しかけていたお母さんの気持ち。すごくわかりました。
「大丈夫、きっと伝わっているよ。」
この映画で介護や看護をしている人がすごく救われたと思います。
すごくすごく素晴らしい映画でした。
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